移動式クレーンの事故事例【原因と対策も解説します】
クレーンの誤った使用方法や注意不足により、移動式クレーンの事故も増えています。
本記事では、移動式クレーンの事故事例を4つご紹介するとともに、それぞれの原因や対策も解説します。
現場の安全を第一に考え、命を守るためにもぜひ参考にしてください。
目次
移動式クレーンの事故事例
はじめに、移動式クレーンの事故事例を4つご紹介します。
- つり上げ荷重4トンのユニック車の事例
- つり上げ荷重65トンのクローラークレーンの事例
- つり上げ荷重70トンのラフタークレーンの事例
- つり上げ荷重100トンのクローラークレーンの事例
それぞれ順番に見ていきましょう。なお、今回は厚生労働省発表の資料を参考に解説します。
つり上げ荷重4トンのユニック車の事例
1つ目は、つり上げ荷重4トンのユニック車の事例です。アームを上げたまま公道を走行したところ、アームが電話回線に引っ掛かり、車体が横転した事故になります。また、横転した車体に対して、対向車線を走っていた乗用車が衝突しました。
こちらの事故の原因は、クレーンのアームが下がっている(上げたまま)状態を確認せずに公道を走ったことになります。
つり上げ荷重65トンのクローラークレーンの事例
2つ目は、つり上げ荷重65トンのクローラークレーンの事例です。
サブフックを巻き上げたところ、親フックに掛けられていたワイヤーロープとサブフックが接触しました。親フックの外れ止めのばねが劣化していたため隙間ができ、ワイヤーロープが落下し、その下にいた合図者に激突しました。
こちらの事故の原因は、クレーンの下に立ち入ったこと、合図者に複数の役割を担わせていたことなどが挙げられます。
つり上げ荷重70トンのラフタークレーンの事例
3つ目は、つり上げ荷重70トンのラフタークレーンの事例です。
鉄骨のつり上げ作業を行っていたところ、玉掛者は鉄骨から1m程の箇所に立ったまま、つり上げを指示しました。つり上げたところ荷が揺れ、被災者に激突した事故になります。
こちらの事故の原因は、安全面に問題がないかを確認せずに作業を開始したことです。
つり上げ荷重100トンのクローラークレーンの事例
4つ目は、つり上げ荷重100トンのクローラークレーンの事例です。
ジブを伸ばそうとワイヤーを巻いたところ、マストからガイドの間の部分で、ペンダントワイヤー2本が破断しました。ペンダントワイヤーは錆による経年劣化があり、破断した箇所は特に負荷がかかる部分であったことが特徴です。
こちらの事故の原因は、ワイヤーロープが経年劣化していたことが挙げられます。
移動式クレーンの事故を防ぐためには
ここまで4つの移動式クレーンの事故事例をご紹介しましたが、どうすれば事故を防ぐことができたのでしょうか。
結論として、今後事故を防ぐためにも、下記3つを徹底するようにしてください。
- 作業計画を入念に立てる
- 吊り荷確認の徹底
- 安全管理用カメラの導入
それぞれ順番に見ていきましょう。
作業計画を入念に立てる
1つ目は、作業計画を入念に立てることです。
上述した事故事例の中には、作業計画を立てずに作業を開始していた事例もありました。
当然ながら、安全な作業のためには入念な作業計画が必要不可欠であり、作業に携わる全員が作業計画を頭に入れて計画を実行する必要があります。
現場の責任者、担当者が同席のうえで作業計画を立て、事前に懸念する要素や特に注意したほうが良い点を整理することが大切です。
吊り荷確認の徹底
2つ目は、吊り荷確認を徹底することです。
原則として、荷の下に人を立ち入らせなかったり、荷を吊ったまま運転位置から離れさせたりしないことが重要です。
また、吊り荷と接触する可能性がある場所を予め考慮し、立入禁止区域を設けるなどして、周りの人々の安全を管理することも必要になります。
このあたりも、事前の作業計画を踏まえて実施できると良いでしょう。
安全管理用カメラの導入
3つ目は、安全管理用カメラの導入です。
「人に気づかずに吊り荷が接触してしまった」「単純にクレーンの作業効率をアップしたい」など、クレーン作業においては様々なお悩みがあるはずです。
そこで安全管理用のカメラを導入すれば、現場の安全を守りながら効率的な作業を実現することができます。
たとえば株式会社TCIが出している「ZWGC-1001S」は、完全ワイヤレス式のクレーン専用カメラであり、磁石で簡単にカメラを設置することが可能です。
また、製品概要資料を無料でダウンロードいただくことも可能です。ぜひこの機会に、資料だけでも一度ご確認ください。