フォークリフト事故防止のための安全対策とは?事故の原因も解説

近年、フォークリフト事故が相次いで発生しています。

日本産業車両協会が出している「2023 年(1~6 月)フォークリフトに起因する労働災害の発生状況(速報値)」を参考にすると、2023年1月〜6月の死傷事故発生件数は805件となっています。

これらの事故を未然に防止するためにも、フォークリフトの現場において対策を講じることが大切です。本記事では、フォークリフトの事故事例や対策をご紹介します。

フォークリフトの事故事例

フォークリフトの事故は「巻き込まれ事故」「激突される事故」が全体の60%以上を占めますが、併せてその他の事故も発生しています。

フォークリフト事故の代表例は下記のとおりです。

  • 巻き込まれ事故
  • 激突される事故
  • 転倒事故
  • 転落事故

それぞれ順番にご説明します。

巻き込まれ事故

1つ目が巻き込まれ事故です。フォークリフトの運転中に傾斜などが原因で車体が傾き、運転者が投げ出されて壁とフォークリフトの間に挟まれてしまう事故や、フォークリフトの死角にいる作業者を壁と挟んでしまう事故などが挙げられます。

実際に、フォークリフトの死角にいる作業者を巻き込んでしまい、死亡してしまった事故が過去に起きています。また、このような「巻き込まれ事故」や「挟まれ事故」は、フォークリフト事故の中で最も多いことも特徴です。

激突される事故

2つ目は激突される(する)事故です。フォークリフトの歩行経路が使用困難な状態であったり、安全意識が希薄であったりすることが原因で起きる事故になります。

たとえば、気付いていてもオペレーターの技術不足で激突してしまったり、バックをする際に後方にいた作業者に激突してしまったりする事故が挙げられます。

激突事故に関しては、スピードが出ていなければ軽症で済むケースも見られるものの、安全管理を行えば未然に防止できる事故でもあります。

転倒事故

3つ目は転倒事故です。最大積載量以上の積み荷を行ってしまい、フォークリフトが前方に倒れるケースや、スピードを出し過ぎている中で旋回することで転倒するケースが多く見られます。

どれだけ業務が多忙であっても、最大積載量以上の積荷は行わないことや、スピードを出したまま旋回することは必ず避けるべきです。

転落事故

4つ目は転落事故です。フォークリフト自体が転落してしまうケースもあれば、荷代から作業員が転落してしまうケースも見られます。特に、車輪止めが付いていない場所や、ヤードから片方のタイヤがはみ出してしまうことが原因で起こることが多いようです。

フォークリフト転落防止のための「車止め」が付いているかを確認することや、そもそもの安全管理が行われているかを確認することが重要です。

 

フォークリフト事故が起きる原因

では、フォークリフト事故はなぜ起きてしまうのでしょうか。状況に応じてさまざまな原因が考えられますが、下記の原因が代表例です。

 

  • 安全確認を怠っている
  • 運転操作ミス
  • 点検・整備不足

「フォークリフトをバックする際に前後左右を確認していない」「指差し安全確認をしていない」など、安全確認を怠っていることが原因で起こるフォークリフト事故は多く見られます。

加えて、作業手順を省略していたり、荷物を不安定に積んでしまっていたりすることも「安全確認を怠っていること」の代表例として挙げられます。作業効率は重要ではあるものの、まず命や安全を確保することが最優先です。

また、不慣れな作業者による運転操作ミスも事故の大きな原因です。フォークリフトは自転車とは異なり後輪が左右に回転するため、感覚を掴んでいないと内輪差の把握ができません。同様に、フォークリフトの爪は長く突き出ているため、不慣れな運転者では爪が作業者に激突してしまう事故が多く発生します。

冒頭でもご紹介したように、フォークリフト事故は数多く発生していますが、発生する原因は似ていることも多いです。まずはフォークリフトが発生する原因を理解し、未然の事故防止に努めましょう。

 

フォークリフト事故を対策するために

ここからは、フォークリフト事故を未然に防ぐための対策をご紹介します。

  • 作業範囲を明確にする
  • 安全管理を徹底する
  • 安全装置を導入する

それぞれ順番に見ていきましょう。

作業範囲を明確にする

1つ目は、フォークリフトの作業範囲を明確にすることが大切です。フォークリフトの作業スペースを共用としている場合、動線の中にフォークリフトと人が同時にいることになるため、事故の発生確率が高まってしまいます。

その結果、上述したようなフォークリフトの爪が作業者に当たってしまうといった事故が発生します。これらを防ぐためにも、できればフォークリフト専用の動線を作ったり、作業範囲を明確にして事故が起きないよう対策することが大切です。

安全管理を徹底する

2つ目は、安全管理を徹底することです。前後左右の確認をしていたり、指差し確認をしていたりすれば防げる事故も多く見られます。

たとえば、フォークリフトの停止状態から動かす際には呼称確認を義務付けるなど、作業者の安全を確保するためのマニュアルや義務化を進めましょう。

安全装置を導入する

3つ目は、安全装置を導入することです。たとえば、株式会社TCIではフォークリフトの安全に特化した装置を開発しており、下記のような特徴を有しています。

  • 人間を自動で検知し、警告音でお知らせする
  • 倉庫の物陰からの急な飛び出しにも反応し、警告音を発する

また、株式会社TCIではフォークリフト専用カメラを2種類用意しており、それが下記のとおりです。

  • 人検知AIカメラセット(AIBC-1001S)
    • AIが10m先までの人間を感知し、近づいたり接触の危険性があったりする際に危険を知らせる装置
  • フォークリフト爪先カメラ(FTBC-1001S)
    • ドライバーがフォーク挿入位置をカメラで確認できる装置

どちらのカメラも、フォークリフト現場の安全を守るため、さまざまな現場にて導入されているものになります。

フォークリフトは人間が運転する以上、目視での確認には限界があったり、どれだけ安全管理を義務化してもエラーは起きてしまうものです。

上記2種類いずれかの装置の導入を検討される場合は、下記から概要資料を無料でダウンロードいただけます。「防げていた事故だったのに」という事態にならないよう、少しでも安全性を高めたい場合はぜひこの機会に資料をダウンロードください。

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