フォークリフトの安全点検は義務?3つの種類をご紹介します

結論として、フォークリフトの安全点検は3つの種類が存在し、それぞれ実施することが義務付けられています。

本記事では、フォークリフトの安全点検の種類を解説しますので、安全な作業を実施するためにも、今一度やるべき安全点検を周知していきましょう。

フォークリフトの安全点検の種類

フォークリフトでは、下記3つの安全点検を実施することを義務付けています。

  • 年次点検
  • 月次点検
  • 始業前点検

それぞれの点検内容を順番に見ていきましょう。

年次点検

労働安全衛生規則では、年次点検について下記のように義務付けています。

第百五十一条の二十一  

「事業者は、フオークリフトについては一年を超えない期間ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、一年を超える期間使用しないフオークリフトの当該使用しない期間においては、この限りでない。

一  圧縮圧力、弁すき間その他原動機の異常の有無

二  デフアレンシヤル、プロペラシヤフトその他動力伝達装置の異常の有無

三  タイヤ、ホイールベアリングその他走行装置の異常の有無

四  かじ取り車輪の左右の回転角度、ナツクル、ロッド、アームその他操縦装置の異常の有無

五  制動能力、ブレーキドラム、ブレーキシユーその他制動装置の異常の有無

六  フオーク、マスト、チエーン、チエーンホイールその他荷役装置の異常の有無

七  油圧ポンプ、油圧モーター、シリンダー、安全弁その他油圧装置の異常の有無

八  電圧、電流その他電気系統の異常の有無

九  車体、ヘツドガード、バツクレスト、警報装置、方向指示器、燈火装置及び計器の異常の有無」

 

「2  事業者は、前項ただし書のフオークリフトについては、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。」

年次点検は定期的に実施する必要があり、頻度は「1年を超えない期間ごとに1回」です。

特例として「このフォークリフトは、1年を超える期間使用しないことが決まっている」場合のみ、年次点検は免除されます。しかし、当然ながら使用を再開するにあたっては点検を実施する必要があります。

月次点検

次に、月次点検で義務付けられている内容は下記の通りです。

第百五十一条の二十二  

「事業者は、フオークリフトについては、一月を超えない期間ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、一月を超える期間使用しないフオークリフトの当該使用しない期間においては、この限りでない。

一  制動装置、クラツチ及び操縦装置の異常の有無

二  荷役装置及び油圧装置の異常の有無

三  ヘツドガード及びバツクレストの異常の有無」

「2  事業者は、前項ただし書のフオークリフトについては、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。」

月次点検の頻度は「1ヶ月を超えない期間ごとに1回」と定められており、年次点検と同様に、1ヶ月以上使用しないことが決まっている場合は点検が免除されます。

始業前点検

次に、始業前点検で義務付けられている内容は下記の通りです。

第百五十一条の二十五 

「事業者は、フオークリフトを用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、次の事項について点検を行わなければならない。

一  制動装置及び操縦装置の機能

二  荷役装置及び油圧装置の機能

三  車輪の異常の有無

四  前照燈、後照燈、方向指示器及び警報装置の機能」

始業前点検の頻度は、フォークリフトを取り扱う作業を行う日ごとになります。

そのため、フォークリフトを毎日使用する場合は、毎日作業前点検を実施する必要があるということです。

点検の記録と保存期間

フォークリフトの年次点検と月次点検では、点検の記録を残すことも義務付けられています。

第百五十一条の二十三  

「事業者は、前二条の自主検査を行つたときは、次の事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。

一  検査年月日

二  検査方法

三  検査箇所

四  検査の結果

五  検査を実施した者の氏名

六  検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容」

点検の記録で残すべき記録は上記のとおりです。

始業前点検に関しては記録を残す必要はありませんが、事業者によっては残すこともあり、残しておくほうが安全管理の一環としては確実であると言えるでしょう。

もし点検時に異常が見つかった場合は?

始業前点検や年次点検など、点検を行った際に何かしらの異常が見つかるケースもあるでしょう。こういった異常が見つかった場合でも必要な措置が義務付けられています。

第百五十一条の二十六 

「事業者は、第百五十一条の二十一若しくは第百五十一条の二十二の自主検査又は前条の点検を行った場合において、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない。」

つまり、点検時に異常が見つかった場合は、補修などの措置を講じる必要があるということです。

フォークリフトの安全は、こういった始業前点検や年次点検(定期点検)を遵守することにより守られるものでもあります。特に始業前点検に関しては、毎日行う必要があるため怠惰的に行ってしまうケースもあるかもしれませんが、それが凄惨な事故に繋がってしまう可能性もあるのです。

ぜひ本記事を参考に、日々の点検も非常に重要な仕事の1つであることを認識して取り組んでいきましょう。

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