2022年9月、静岡県の幼稚園で3歳の女の子が、送迎バスの車内に置き去りにされ、熱中症により死亡するという痛ましい事件がありました。
このような置き去りの事件は、幼稚園の送迎バスだけでなく、介護の送迎車両においても同様に発生しています。
同じような過ちを二度と起こさないためにも、様々な事業者が注意する必要があります。
今回は、介護の送迎車両にて発生した置き去り事例をもとに、その対策として有効な解決策を紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
介護送迎車で起きた置き去り事故
車両の置き去り事故は、幼稚園や保育園の送迎バスだけではありません。
2017年の夏、埼玉県上尾市の障がい者支援施設にて、置き去り事件が発生しました。
送迎車両に取り残された19歳の男性が熱中症で亡くなったという事例です。
送迎車の運転手は、「一番後ろの席は死角で見えない。まさかまだ車の中にいるとは思わなかった。」と供述しています。
この供述は、車内の前側からのぞき込むだけの車内確認をしていたとも予想できます。
しっかりと車両の最後尾まで行けば、乗員の存在に気づいていたでしょう。
「車内確認を怠った」ことにより、尊い命が奪われました。
少しの不注意が、重大な被害を生むのです。
イレギュラーが生み出す人的ミス
施設では、送迎車から利用者を降ろす作業を、通常であれば複数人で行っていましたが、事故が起きた当日は、特別支援学校の実習生を受け入れていたとのことで、運転手の男性が1人で行っていました。
普段とは異なるイレギュラーが発生したことによって、車内確認が疎かになるというミスが生まれた可能性が高いです。
このように、人間は誰しもがヒューマンエラーを起こしてしまうのです。
特に、普段とは異なる動きがあった際、人は異常が起きている方に注意が向いてしまいます。
それによって、通常の流れが乱され、普段であればできていることに、ミスが起こってしまうのです。
ヒューマンエラーを防止するには
ヒューマンエラーとは、人間が意図せずに起こしてしまうミスです。
何らかのイレギュラーによって、「車内確認をする」ということを忘れてしまう、もしくは急ぎの用事があり、しっかりと車内後方まで移動せず、前述した事例のように前から除くだけで車内確認を済ませたことにしてしまうなどがあります。
このようなヒューマンエラーを防止するには、「車内確認をする」ということを最適なタイミングで思い出させることや、車内後方に必ず移動させる仕組みをつくる措置が必要になります。
今回紹介する「SOS-0006」は、このような機能を備えた置き去り防止装置です。
介護送迎車両の置き去り防止装置SOS-0006
介護送迎車両の置き去り対策装置として、(株)TCIのSOS-0006が有効です。
SOS-0006は、エンジン停止後に車内アナウンスで車内確認を促し、車内最後尾に設置したボタンを押すように誘導します。
この仕組みにより、運転手は強制的に車内の最後尾まで移動し、確認ボタンを押すことになります。
万が一、確認を怠り、5分以内に確認ボタンを押さないと、大音量のブザーで車外に警告音を鳴らします。
このような装置は、国交省ガイドラインにも規定されている「降車時確認式」の安全装置に該当します。
非常時のボタンも搭載
SOS-0006は、万が一車内に閉じ込められてしまった場合に、車外へ存在を知らせる非常ボタンを搭載しています。
非常ボタンを押すことで、強制的に大音量のブザーを鳴らし、周囲にいる人に異常を知らせることができます。
介護送迎車両の置き去りを徹底的に防止する
幼稚園や保育園だけでなく、介護送迎車両でも置き去りが発生しています。
運転手などの不注意によって、乗員の命が失われることは決してあってはいけないことです。
また、置き去り対策に意識の改善だけでは不十分です。
「想定外のことが起きる」ことを想定し、事前に対策を講じる必要があります。
最悪の事態が起きる前に、大切な命を載せる車両に、安全装置の導入をご検討ください。
2023年2月、内閣府「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のリスト」に掲載。
品番：SOS-0006
認定番号：A-007
製造メーカー：株式会社TCI
装置の方式：降車時確認式
