建設業の安全週間とは?必ず実施するべき内容を解説
建設業界は命に関わる業務も多く、年間で多くの災害事例も発生しています。
安全週間とは、厚生労働省・中央労働災害防止協会が行っているキャンペーンのことであり、職場の安全を守るために欠かせない内容の1つです。
本記事では、建設業の安全週間について概要を解説します。
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建設業の安全週間とは?
冒頭でも触れた通り、建設業の安全週間とは、厚生労働省・中央労働災害防止協会が行っているキャンペーンのことです。
実施時期は毎年7月の1週目であり、関係行政機関や各企業が連携して実施しています。
また、安全週間では「業種ごとの感染拡大予防ガイドライン」に基づいて、「安全大会」も開催されます。
安全意識を高めることや周知に繋がるため、安全大会への参加や取り組みは積極的に行うべきでしょう。
安全大会の項目
では、安全大会ではどういった項目が実施されるのでしょうか。以下に、令和3年の内容を例にご紹介します。
- ①安全大会等での経営トップによる安全への所信表明を通じた関係者の意思の統一及び安全意識の高揚
- ②安全パトロールによる職場の総点検の実施
- ③安全旗の掲揚、標語の掲示、講演会等の開催、安全関係資料の配布等の他、ホームページ等を通じた自社の安全活動等の社会への発信
- ④労働者の家族への職場の安全に関する文書の送付、職場見学等の実施による家族の協力の呼びかけ
- ⑤緊急時の措置に係る必要な訓練の実施
- ⑥「安全の日」の設定のほか全国安全週間及び準備期間にふさわしい行事の実施
どの項目も建設業には欠かせない重要なものであり、実施することで作業者の安全意識を高められます。
また、企業によっては外部の専門講師を招いて講習を開いているケースもあり、安全大会の内容は多種多様です。
まずは、自社が安全面においてどういった課題を持っているのかを整理し、それらを解決できる内容を行うと良いでしょう。
安全大会を実施するべき理由とは?
実は、建設業では安全大会を必ず実施するべきという法令は存在しません。
しかし、従業員や職場の安全を守るためにも、安全大会はできる限り実施するべきです。
というのも、令和2年のデータを参考にすると、全産業を通して年間の死亡者数は802名となっており、このうちの32%である258名が建設業となっています。
つまり、全体の3割以上は建設業から出てしまっているということであり、他の業界と比較して、一層の安全管理を行うべき強い理由と言えるでしょう。
日々の事故を防ぐためにも、適切な知識を身に付けたり安全意識を高めたりできる安全大会をぜひ実施してみてはいかがでしょうか。
建設業の災害事例
建設業では、全国で多くの災害事例が発生していますが、ここでは事例を1つご紹介します。
《年齢・経験》
①21歳・3.5年 ②21歳・2.5年
《作業》
木枠梱包のガラス(2梱包で1600㎏)をガラス台車に載せて小運搬していた
《発生状況》
50㎜の段差のスロープ部で台車がバランスを崩し倒れてしまい、2人が下敷きになった
《事故の型》
挟まれ
《傷病・日数》
①骨盤骨折 ②骨盤・大腿骨骨折でともに休業中(180日以上)
上記の事例は、業界経験の少ない作業者が作業を担当し、結果的に180日以上の休業が必要になった事故事例です。
企業や状況によっては、どうしても経験の少ない作業者が担当しなければならないケースがあります。
しかし、だからこそ経験の少ない作業者でも適切な安全管理を行ったうえで作業を実施できるよう、安全大会を開いたり、安全作業マニュアルを策定したりすることが重要なのです。
まとめ
本記事では、建設業の安全週間について解説をしてきました。
安全週間は毎年7月の1週目に実施されるものであり、その一環として安全大会が存在します。
安全大会を開くことで、事故が起きる可能性を軽減したり、事故が起きた際に迅速に対応できたりします。
安全大会の実施は義務付けられていませんが、少しでも従業員の命を守る可能性を高めるため、積極的に実施することを検討してみましょう。